こんにちは。不動産業界歴17年で現役戸建投資家のイズムです。
不動産投資以外にも多くの投資に手を出している為、戸建投資は今のところ2棟しか持っていませんが、不動産会社で6年勤務、不動産会社経営11年の経験から以下のような疑問に答えてみたいと思います。
「不動産投資のひとつである戸建投資を始めるにあたって、どのエリア(地域)の中古戸建を買うのが良いのか?」
これから戸建投資を始めようと思っている方の多くが、こういった疑問を持つはずです。
これに対する答えは、
- 賃貸需要があるエリア
- 想定していた利回りが出せるエリア
となります。
それでは、この答えを深堀りしながら戸建投資に適したエリアの選び方を解説したいと思います。
戸建投資は他の不動産投資とは違う
今回は不動産投資に適したエリアではなく、戸建投資に適したエリアの選び方になります。どういう事かと言うと戸建投資はアパートやマンションなど戸建以外の不動産投資とは特性が違うという事ですね。簡単に言うと戸建投資の最適解エリアは、アパートやマンション投資の最適解エリアとは違うという事です。
アパートやマンションの場合は、単身やファミリーでも都会派の方がターゲット層になりますが、戸建の場合はのんびりとした生活がしたい、通勤よりも子育て重視という層がターゲットとなりますので、そもそものターゲットが違う為、適したエリアも違って来るという事になります。
戸建投資に適したエリア
前述したように戸建投資に適したエリアは、賃貸需要があり想定していた利回りが出せる地域という事になります。これらを具体的にして行くと、賃貸需要とは、相場賃料で募集した際に3か月以内に入居者が決まること、そして、想定していた利回りが出せるとは、年間賃料を購入した中古戸建をリフォームして諸々かかる経費と戸建購入費用を足した額で割って100をかけた値が13%以上であること、これがイズムが思う賃貸需要があり想定した利回りが出せるという事です。
これらを達成するする為に必要な条件が以下の8つだとイズムは思っています。
- 都心や企業が集中している地域から電車や車で40分以内
- 人口の減少率が低い地域
- 賃貸のニーズはあるが、売買のニーズはいまいちな地域
- 小学校と中学校が近く(徒歩15分以内)にある地域
- スーパーが近く(徒歩15分以内)にある地域
- 電車社会の地域なら駅から徒歩15分(20分)以内
- 自宅から2時間以内くらいで行ける範囲
- 土地勘がある地域
ひとつづつ見て行きましょう。
都心や企業が集中している地域から40分以内
要は通勤40分以内のエリアという事ですね。東京都であれば40分よりも遠くても良いと思います。多くの企業がある地域から電車や車で常識的に行ける範囲であれば問題ないと思います。
戸建投資に適さないエリアとして後述しますが、1つの企業や学校に頼った賃貸経営はお勧めしません。あくまでもここお勧めしているのは多くの企業がある地域という事です。
人口の減少率が低い地域
これから日本の人口は減少して行くと言われていますが、人口の減り方は地域によって大きく違います。
こちらは千葉県山武市の人口推移です。2000年をピークに下落に転じてますね。恐らくこの流れは数十年単位で続くでしょう。
そして、こちらが千葉県鎌ケ谷市の人口推移ですが、2015年までの情報しかありませんが、過去に人口が減少したことはなく2015年がピークとなっています。
なお、鎌ケ谷市が人口の将来展望という資料を出していたのでお借りしましたが、これによると鎌ケ谷市の人口は2025年をピークにその後は減少に転じるということのようです。人口減少に歯止めがかかる場合は2060年で106,900人となっているので、現在と大差はないと言えます。歯止めが効かなかった場合でも89,280人となっており現在の20%減に留まっているのが分かりますね。
ここでは山武市と鎌ケ谷市を例に出しましたが、こういった資料を基に人口の減少率が低い地域を投資エリアとした方が将来的な空室リスクを抑える事が出来るでしょう。
賃貸のニーズはあるが、売買のニーズはいまいちな地域
通常の不動産投資では、23区が良い、住みたい街ランキングで選ぶべきなどと言われていますが、こういった地域は総じて空室率は低めですが利回りも低くなる傾向です。なぜなら、こういった地域は売買のニーズもあるからですね。売買ニーズがあるという事は土地値も高いという事になります。
高利回りを狙うのであれば売買のニーズがいまいちだが、賃貸ニーズはあるという地域を選ぶべきでしょう。これは売買価格と賃料相場の歪みを利用して高利回りを狙うということです。
これは中古戸建を日々検索していれば、どの地域の物件が売れ残りやすいとか、良く売り物が出て来るというのが分かって来ます。そういった地域の賃貸ニーズ(空室率等)を調べて問題がないようであれば戸建投資に適したエリアと言えますね。
小学校と中学校が近く(徒歩15分以内)にある地域
戸建投資のターゲットは子育て世代となる可能性がとても高いので、戸建から小学校や中学校までの距離は徒歩で15分以内くらいが望ましいでしょう。
中学校は子供も大きくなっているので、多少離れていても良しとする親も多いですが、小学校は心配する親がほとんどですので近ければ近いほど良いと言えます。
スーパーが近く(徒歩15分以内)にある地域
子育て世代がターゲットですので、小中学校と同じくスーパーも近い方が良いでしょう。
要は、子育てに適して生活環境が良いエリアが好まれる(入居者が入りやすく退去され難い)という事です。ですので、公園なども近くにあると尚良いですね。
電車社会の地域なら駅から徒歩15分(20分)以内
通常の不動産投資で単身世帯をターゲットとしている場合は駅から徒歩5分以内、ファミリーをターゲットとしている場合は徒歩10分以内などと言われていますが、戸建投資の場合は駅の近さよりも前述したように学校やスーパーをメインに考えて駅から徒歩15分くらいまでは入居付けには問題ないと言えます。
なお、ここで駅から徒歩15分以内と言っているのは電車社会の場合のお話しです。車社会の地域は駅からの距離はあまり意識されません。それよりも駐車場が2台確保されているかどうか、周辺環境が寂しすぎないかなどを気にした方が良いでしょう。
ちなみに、電車社会の地域で駅から徒歩20分などの場合は、駐車場が2台あるなど付加価値があると入居付けする際に有利になりますね。
自宅から2時間以内くらいで行ける範囲
これは意見が分かれるところですが、イズムは自宅から2時間以内で行ける範囲で戸建投資をしています。
理由としては4つです。
- 物件の購入時に何度か足を運ぶ必要がある
- リフォームの打合せに行くことがある
- 自己リフォームをする事もある
- 募集時の維持管理に行くことがある
良い物件が見つかった際には、実際に中古戸建を見に行くことになりますが、あまりにも遠すぎると大変ですね。また、購入後にもリフォームの打合せで戸建に行くこともあるでしょう。ただ、これは慣れてくれば「どことどこをこの型番のものでリフォームしてくれ」などメールや電話で指示を出すことも可能になります。
イズムの場合は、自分でリフォーム出来てしまう箇所もあるので、そういった場合は自分が戸建まで行くしかありません。これがあまりにも遠いと1回戸建に行くのに2万円かかってしまうなんて場合は、業者に頼んでしまった方が安いという事になってしまいますので、近いに越したことはないのです。
また、募集時の維持管理で戸建に行くことがあります。募集に長い時間を要してしまっている場合は、2か月に1度くらいは自分自身で出向いて何が問題なのかを突き止めなければなりません。これを怠るとずっと決まらない何てこともあるので注意が必要です。
イズムが賃貸不動産会社を経営していたころに、他社で募集していたお部屋を途中から預かるという事は良くありましたが、そういったお部屋はやはり数か月間~1年など長期で空室になっている場合がほとんどなんです。家主に募集を頼まれたのでお部屋を下見に行ってみると、お風呂が虫だらけ、和室がカビだらけ何てこともありました。「これじゃあ決まらないよな」とその場で掃除をして適正な賃料にして募集するとすぐに決まってしまう。こんな事は良くありましたよ。
ここで「頼んでいた他の不動産会社は見に行ってないの?」と思われる方もいるでしょうが、多くの不動産会社は募集後に自社で案内が入らない限り現地には基本的に行きません。鍵も現地にキーBOXなどをセットしてしまう事が多いので、他社の案内の際には立ち会わない事が多いのです。あくまでもあなたのお部屋は多く預かっているお部屋の中の1つでしかありません。
ですので、募集していても決まらない、そんな時は決まらない原因を家主自らが確認しに行くというのはとても重要だという事ですね。
この様に何度も戸建に足を運ぶ必要があるように思えますが、戸建投資の場合は一度入居者が決まってしまえば、ほぼメンテナンスフリーとなり、数年間戸建に行かなくても良いという状態になりますので、購入から入居者が決まるまでは頑張りましょう。
ちなみに、リフォームから募集、管理まで全てお任せ出来るという信頼できる不動産会社が物件の近くにあるという方はこの限りではありません。
土地勘がある地域
不動産投資において土地勘というのはとても重要です。
この地域はある工場があるから何時から何時の間は作業音がうるさい、鎌ケ谷市のこの地域は海抜が低く大雨が降ると水害に合いやすい、松戸市のあの地域はどうも賃貸付けに時間がかかるなど、地元の方しか知らない情報というのは価値があるものです。
今までお伝えして来た戸建投資に適したエリアがもし、自宅の近くで土地勘がある地域なのであれば、これを活かさないのは勿体ないでしょう。是非、そのエリアで戸建投資をしてみて下さい。
ただ、イズムもそうですが多くの場合は自宅近くが戸建投資に適していないエリアだと思いますので、そういった場合は経験を積むしかありません。今は知らない地域でも長いこと戸建投資をしていれば多くのリサーチをする事になり、それが知識として付いて来て土地勘へと変わって行きます。
そうなると次に購入する中古戸建を選択する際には、強い武器となる事は間違いないでしょう。
以上が、イズムが思う戸建投資に適したエリアの選び方(見分け方)になりますが、最後にここは戸建投資には適さないエリアの見分け方もお伝えして終わりたいと思います。
戸建投資に適さない不向きなエリア
ここまで戸建投資に適したエリアの選び方をお伝えして来ましたが、逆に不動産投資には向かないエリアというのも存在します。
それが以下の3つです。
- 大学など学校の生徒を需要とした地域
- 工場など企業の従業員を需要とした地域
- 災害指定エリア
大学などの学校の生徒や工場など企業の従業員をターゲットとした地域の場合は、その学校なり企業が撤退した時は賃貸需要が一気に減少します。ニーズがなくなるので賃料は下がりますし、そもそも入居者が入らなくなるのでかなり厳しい状況になるのは目に見えていますね。賃貸需要がなくなるという事は多くの物件が売りに出て来ると思うので価値も暴落・・・。身動きが取れなくなります。株で言う所の塩漬けですね^^;
災害指定されたエリアも念の為に避けた方が無難です。賃貸契約でも重要事項説明書を読み上げる時に土砂災害警戒区域か否かを伝えなければならないですからね。多くの顧客は嫌がるでしょう。
このような不動産投資に適さないエリアは、どんなに安い物件でも手を出さないこと、これに尽きます。利回り25%!などを謳い文句に売られている収益物件でも入居者が入らなければただのゴミでしかないですから、理論的に取捨選択すべきです。
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