こんにちは。戸建投資歴5年、不動産業界歴17年のイズムです。
戸建投資を始めるにあたり中古戸建を現金で買って行くべきなのか、融資を組んでローンで買い進めて行くべきなのか、迷われている方も多いでしょう。そこで現金が良いのか融資が良いのかなど、それぞれのメリットデメリットを解説したいと思います。
ちなみに、イズムは現金での購入のみで融資を受けて戸建を購入した事はありません。これにも色々と理由がありますので、その辺も記事内で触れていきますね。
現金で戸建を購入するメリットデメリット
まずは現金で戸建を買い進めて行くメリットとデメリットに付いて解説します。
現金で戸建を購入するメリット
戸建を購入する時に現金で買付けるメリットは、5つあります。
- 値引き交渉の武器となる
- 高利回り物件を手にいれやすくなる
- 融資が組めない物件でも購入できる
- 金利を払わないで済む
- 低リスクで投資できる
値引き交渉の武器となる
戸建の買付をいれる際に現金で購入とする事で、話がまとまる可能性がかなり高くなる為、現金買いは売主としてはとてもありがたい事なんです。ですので、それを理由(武器)に値引き交渉をするという事も出来ますね。
これは売り急いでいる売主であればあるほど効果があると言えるでしょう。
高利回り物件を手にいれやすくなる
融資を使っての購入の場合は、審査等で契約まで1か月ほどかかりますが、現金の場合は前述したように買えるか買えないかがその場ではっきりします。得てしてお宝物件は足が速いもので、誰もが飛びつきたくなるような物件の場合、融資が通るまで待ってくれる事は少ないでしょう。やはり高利回り物件を素早く手に入れるには現金が一番です。
融資が組めない物件でも購入できる
中には再建築不可など色々な理由で融資が組めない物件がありますが、現金の場合はそういった物件にも挑戦する事が出来ます。ちなみに、再建築不可等の物件でも高金利であれば融資が出る事はありますが金利が高過ぎる融資は利食いされてしまうのでお勧めしません。
金利を払わないで済む
戸建投資は数百万円程度の物件ですので、金利と言っても1件あたりの金利は極僅かです。しかし、これが数十件となって来ると数千万円の借り入れとなり、かなりの金利を払って行くことになります。現金の場合はこういった無駄な金利を払う必要はありません。ただ、これはある側面から見れば真逆の考え方にはなります。これに付いては融資のメリットデメリットで解説します。
低リスクで投資できる
投資というのはリスクが付き物です。戸建投資も同じくリスクはありますが、融資を受けての戸建投資と現金買いでの戸建投資では、現金買いの戸建投資の方が大きくリスクは低いと言えるでしょう。
投資はしたいがリスクはあまり負いたくないという方は現金での購入があっているという見方も出来ますね。
現金で戸建を購入するデメリット
次に戸建を購入する時に現金で買うデメリットに付いてですが、デメリットは1つのみです。
- 資産形成スピードが遅い
資産形成スピードが遅い
不動産投資の一番の利点は、レバレッジをかける(融資を引く)ことが出来るという事ですが、現金で買うという事は、その一番美味しいところを捨てるという事を意味します。
レバレッジの良さは時間的利益を得ることが出来るという事ですね。要は現金で戸建を購入するという事は時間的機会損失につながっているということ。
1000万円が手元にあり、現金で戸建を購入する場合は、多くても3棟ほどしか購入出来ませんが、融資の場合は5棟10棟と買い進めて行くことが可能です。これは即ち資産形成スピードが遅いという事を意味します。
より早く資産を築きたいと思う方は現金買いはお勧めしません。
融資で戸建を購入するメリットデメリット
では、次に融資で戸建を買うメリットデメリットとデメリットに付いて見て行きましょう。
融資で戸建を購入するメリット
融資を使って戸建を購入するメリットは、3つあります。
- 大きな現金を必要としない
- レバレッジ効果を活かせる
- 資産形成スピードが速い
大きな現金を必要としない
融資で戸建を購入する場合は、1000万円2000万円と大きな現金を必要としません。当然ながら、あれば融資が通りやすいなど有利にはなりますが、必ずしも多くの現金を持っている必要はありません。
これは不動産投資特有の考え方で購入するもの(不動産)自体に価値がある為、それを担保として融資を受ける事が出来るからです。
レバレッジ効果を活かせる
数百万円の手元資金で数百万から数千万円の物件を手に入れることが出来るので、このレバレッジ効果により時間的利益を取る事が可能となります。
資産形成スピードが速い
時間的利益を取る事が出来るという事は、資産形成して行くスピードが現金よりも速いという事が言えますね。
融資で戸建を購入するデメリット
融資を使って戸建を購入するデメリットは、3つです。
- リスクが高い
- 空室の場合はローン支払いの手出しが発生する
- 実質の収入が増えて行くスピードは遅い
リスクが高い
不動産投資での融資は、入居者へ部屋を貸し出して得られる賃料を元に返済を進めて行きますが、必ず賃料が入るという保障はありません。
物件で自殺や他殺などが起これば賃料下落や空室となり収益が減る事もあり得なくはないですね。そういった場合に現金であれば収益が入って来ないだけですが、融資の場合はローン支払いが発生します。
融資にはそういったリスクが伴いという事を理解しておく必要はあるでしょう。
空室の場合はローン支払いの手出しが発生する
前述したことと被りますが、戸建を購入したは良いものの入居者が中々決まらないなど、空室である場合でもローン返済はストップしてくれません。家賃が入って来なくてもローン支払いは発生し続けるので、手出しが発生します。空室期間が長くなれば手元資金はどんどん減って行くことになりますね。
ただ、複数の戸建を持つ事で1戸空室になったとしても他の部屋の家賃で賄う事が出来るようになって来るので、融資を組む場合は複数の戸建を買い進める事が求められるとも言えるでしょう。
実質の収入が増えて行くスピードは遅い
地域にもよりますが、ボロ戸建の場合、戸建賃貸の家賃は4万円~8万円くらいが相場だと思います。
例えば、500万円の戸建で利回りが15%だとすると、月額賃料は62,500円ですが、500万円のローンを年利2%10年返済で借り入れたとした場合の月返済費は46,006円ですので、月の収益としては16,494円です。年間で考えると197,928円になります。これくらいだと退去があったり設備のトラブルがあった場合は、一発で吹っ飛んでしまいそうですね。
ただ、これは表面利回りの場合です。実質利回りが12%だとすると月額賃料5万円となるので手残りは4,000円ほど。逆に表面利回りが20%で、実質利回りが15%となると上記の通りです。
融資で戸建を購入する場合は、綿密に利回り試算をして利益を取って行かないと実質の収入はかなり厳しい事になるという事が分かりますね。
確かに融資の場合は、資産形成スピードが速いのですが、実質的な収入が増えて行くスピードは遅いという事が言えます。ただし、10年経ち融資が終わった後は資産と賃料全額のインカムが残りますので、その間は家賃収入は求めず他の収入のみで生活できるという考えであれば満足の行く結果となるでしょう。
もうちょっと深く掘ってみますね。この計算から行くと、年間収益200万円を目指すのであれば10棟必要になりますが、その場合、家賃収入としては月625,000円となり年収で750万円です。これにサラリーマン等の給与年収が合算されて税金計算されるとそれ相応の税金が差し引かれる事は想像がつきますね。
銀行等への返済額は年5,520,720円となるので、戸建を10棟持ったとしても恐らく手残りは年間百数十万円くらいです。恐らく戸建10棟を購入するのにかかる労力と年間百数十万円の手残りでは満足の行くものではないと感じるでしょう。ただ、先ほども言ったように返済が進み10年が経てば1棟目から順に返済は無くなって行くので、全て返済が終了した時には年収750万円から税金が差し引かれたものが手残りとなるので、一気に楽になる事は間違いありません。
現金と融資を組み合わせる
このように現金と融資はメリットデメリットがあり、それぞれに良いところ悪いところが存在します。ですので、イズムがお勧めするのは現金と融資を組み合わせて買い進めて行くという方法です。
基本的には融資で買い進めて行き、お宝物件など足が速い物件が出て来た場合には現金で買付けを入れるなど臨機応変に対応すればいいと思います。現金と融資を組み合わせる事で、このような融資では買う事が出来ない物件を手に入れることが出来て、資産形成スピードもそこまで落とすことなく進めることが出来ますし、高利回り物件を現金で購入する事で手残りも多くなりリスクも回避する事が出来るでしょう。
イズムは戸建を現金で購入していますが、可能なのであれば上記の買い進め方が良いかなと思います。ちなみに、イズムは別の事業で融資を受けているので、これ以上融資を受けるのは危険と判断していますし、速い資産形成を元々求めていないという事も融資を使わない理由です。
ゆっくりと時間をかけて、50歳60歳の時に生活レベルに合った資産を形成出来ていれば良いかなと思っています。
現金と融資はどちらを選択すべきかは目的と現状で決まる
戸建投資を現金と融資どちらで進めて行くべきかは、戸建投資をする目的やあなたの現状で大きく選択すべき方は変わって来ます。
なるべく早くセミリタイアしたいという目的があるのであれば100%融資でしょうし、そこまで大きな資産ではなくてもゆっくりと安全に資産を形成して行きたいというなら現金がお勧めです。
それなりの手残りを残しながらも少しでも早く資産を作り上げたいと思っているのであれば現金融資を組み合わせれば良いでしょう。
安全に現金で戸建投資を進めて行きたい方へ
この記事では簡単に現金で戸建投資を始めるとか、融資を組んで買い進めるなどと解説してしまっていますが、現実ではお金と睨めっこしながら戸建を買い進める事になりますので、現金は多ければ多いほど心の安定材料にもなりますし買い進める上で有利にもなります。
ですので、これから戸建投資を始めたいと思っているのであれば、まずすべきことは年100万円の貯蓄を出来るようになることです。
時間はかかりながらも、これが出来れば現金でも融資でもどちらを選択する事は可能となります。
生活費から無駄な出費を無くして月8万円貯蓄に回せる方であれば戸建投資をして行く素質はあります。今ある貯蓄と年100万円の貯蓄でまずは生活に必要な額とは別に最低でも300万円~500万円貯めましょう。年100万円貯蓄なら3年で300万円、5年で500万円ですね。
それを使って1棟目の戸建を買います。500万円で月額6万円の賃料が入り出しますので、これを全て貯蓄にまわしましょう。年72万円が貯まりますので、今までの年100万円貯蓄と合わせて年172万円が貯蓄出来ているはずです。3年で516万円貯蓄出来る体制が整いました。
これを使って更に2棟目の戸建を買いましょう。500万円で月額6万円の賃料が入り出しますので、これを全て貯蓄にまわしましょう。1棟目と合計で月12万円の貯蓄が出来るので年144万円が貯まります。更に年100万円の貯蓄を合わせれば244万円が年間に貯まります。2年で488万円貯まりますので、これに少しお金をプラスして500万円にします。
これを使って3棟目の戸建を買いましょう。500万円で月額6万円の賃料が入り出しますので、3棟で月額賃料18万円となりました。年間216万円が賃料で入りますので、これに年100万円の貯蓄を合わせて年316万円の貯蓄が出来ますね。1年7か月で500万円ほどが貯まります。
これを使って4棟目の戸建を買いましょう。500万円で月額6万円の賃料が入り出しますので、4棟で月額賃料24万円となりました。年間288万円と年100万円の貯蓄で388万円が年間貯まるようになります。1年数か月もすれば500万円貯まりますので、5棟目を買い月額賃料30万円、年360万円、これに年100万円の貯蓄を合わせれば460万円になります。
ここまで14年ほどが経っていますが、年間家賃収入は360万円となりました。恐らく齢の経過と共に年間に貯蓄出来る額は100万円よりも多くなって行くはずですので、実際には10年ほどでこれくらいの規模の資産を築き上げることは出来ると思います。また、年150万円の貯蓄が最初から出来るのであれば更に戸数も増やすことが出来るでしょうし、早い年月で達成する事は出来るでしょう。
投資の世界に正解はありません。
あなたが引退する時にどれくらいの資産を築き上げているかだけが重要ですので、どういった進め方が良いのかは人それぞれです。
確かに融資は一気に資産を増やすことが出来るツールではありますが、全ての人に合っているとは思えません。融資を使って上手く行った人はみな融資が正義となっていますが、これが全てではないという事を理解しつつ、現金か融資かを選択すべきでしょう。
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